福祉と医療におけるアウトリーチ支援は、制度の狭間に落ちた人々を救う最後の防波堤として機能しています。
代表的な取り組みとして挙げられるのが、精神保健分野におけるACT(包括型地域生活支援プログラム)です。精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などが多職種チームを組み、退院後や通院を中断してしまった患者の自宅へ定期的に訪問します。服薬管理や生活リズムの調整だけでなく、買い物や行政手続きの同行まで一貫して支援することで、再入院率の劇的な低減を実現しています。
また、自治体による子ども・子育て支援の領域でも、訪問支援の具体例が定着してきました。「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」では、生後4か月までの全家庭を助産師や保健師が訪問し、育児不安の解消や産後うつの早期スクリーニングを行っています。さらに、不登校児童やひきこもり当事者の自宅へピアサポーターや相談員が通い、まずは雑談や趣味の共有から時間をかけて信頼を築くアプローチも成果を上げています。