八つ墓村にスケキヨが出ない真相!犬神家と混同される3つの理由

八つ墓村にスケキヨが出ない真相!犬神家と混同される3つの理由

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では、そもそもあの「白いゴムマスク」を被った人物は何者で、なぜあのような異形の姿にならざるを得なかったのでしょうか。『犬神家の一族』の物語の根底にあるのは、戦中・戦後の過酷な現実です。

戦禍で美貌を失った悲哀と「青沼静馬」の影

犬神佐清は、信州財界の大物・犬神佐兵衛の長女・松子の実子であり、本来は端正な顔立ちをした美青年でした。しかし、第二次世界大戦でビルマ(現ミャンマー)戦線に出征した際、顔面に壊滅的な火傷を負ってしまいます。松子は息子の無惨な容貌を隠し、人前に立たせるために、東京の専門医に特注で制作させた佐清本人の生前の顔を模した白いゴムマスクを被せました。

物語の凄惨なポイントは、このマスクの下にいたのが「本物の佐清」だけではなかったという点にあります。佐兵衛の愛人の子であり、ビルマの戦場で佐清と偶然巡り会った男・青沼静馬(あおぬま しずま)が、復讐と遺産奪取のために佐清になりすましてマスクを被っていた時期が存在します。つまり、白いゴムマスクは単なるオカルト的なコスチュームではなく、戦争の悲惨さと身代わり犯罪を象徴する悲劇の仮面だったのです。

歴代のスケキヨを演じた名優たち

強烈なインパクトを持つ役柄ゆえに、映像化のたびに誰が佐清を演じるかは映画ファン・ドラマファンの注目の的となってきました。

  • あおい輝彦(1976年・映画版):記念すべき市川崑監督版。マスクを外した際の火傷特殊メイクの凄絶さと、佐清・静馬の一人二役を見事に演じ分け、永遠のアイコンとしてのスケキヨ像を確立。
  • 西島秀俊(1995年・テレビドラマ版):フジテレビ系列で放送されたドラマ版(古谷一行主演)。若き日の西島秀俊が持つノーブルな透明感が、マスクを剥いだ際の狂気と悲哀を際立たせ、語り草となる。
  • 尾上菊之助(2006年・映画版):市川崑監督自身によるセルフリメイク版。母・松子を実母の富司純子が演じたことでも大きな話題となり、歌舞伎役者ならではの研ぎ澄まされた身体所作で不気味さを表現。
  • 池松壮亮(2020年・BSプレミアムドラマ版):吉岡秀隆が金田一を演じた新シリーズ。人間味と虚無感を巧みに織り交ぜた現代的なスケキヨ像を熱演。
渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。