テレビ朝日が誇る大ヒット医療ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』。この作品を語る上で欠かせないのが、主人公・大門未知子演じる米倉涼子の「師匠」であり、神原名医紹介所の所長・神原晶を演じた存在感だ。
「メロンです。請求書です」
スキップを踏みながら院長室に乗り込み、破格の報酬を要求するあの名シーン。現場の関係者によれば、あのコミカルかつ食えないキャラクター像の多くは、脚本の行間を読み取ったアドリブに近い絶妙な空気感から生まれたという。共演した米倉涼子も、彼の懐の深い受けの演技があったからこそ自由奔放な大門未知子を演じきれたと周囲に漏らしていた。
緊迫した医療現場の緊張感を一瞬で和らげ、同時に人間臭い毒気を注入する。あのメロンを手渡す一連の所作には、長年培われた「引き算の美学」が凝縮されていたのだ。