整形外科の臨床データが示す事実は時にシビアだ。初回の靭帯再建術における復帰率が8割〜9割とされるのに対し、2度目の再建術ではその数字が約5割〜6割に低下するという研究結果が存在する。また、球速が手術前と同等まで戻る割合も下がり、投球フォームの修正やピッチデザインの変更を余儀なくされるケースも少なくない。
それでも、諦める者ばかりではない。近年では靭帯の補強材料や縫合技術の進化、人工腱や特殊テープによる補強アプローチが普及し、組織の生着率を高める試みが成果を上げている。パフォーマンス低下のリスクを最小限に抑えつつ、再び160km/hを超えるストレートを投げるための科学的アプローチが確実に確立されつつあるのだ。