今なお休館を惜しむ声が絶えないのは、マキノ白谷温泉八王子荘が唯一無二の素朴な温もりに満ちた湯処だったからです。過去の利用者の口コミ評判を振り返ると、その魅力の本質が鮮明に浮かび上がります。
温泉マニアの間で高く評価されていたのが、天然ラドンを含むさらりとした弱アルカリ性単純温泉の泉質でした。「加水なしのやわらかな湯ざわりで、湯上がりの肌がしっとりする」「派手なスーパー銭湯にはない、山あいの静寂と澄んだ空気の中で入る露天風呂が格別だった」という実体験の声が多く残されています。
また、利用者の心を掴んでいたのが家庭的で温かいもてなしと食事処でのランチです。滋賀県高島市マキノ町白谷という豊かな自然に育まれた地元野菜、近江牛の陶板焼き、冬季限定の猪鍋や鴨鍋など、郷土の味をリーズナブルに味わえる定食が評判でした。
当時の日帰り入浴料金は大人600円〜700円前後と非常に良心的で、「メタセコイア並木を散策したあとに八王子荘で湯に浸かり、ランチを食べて帰るのが最高の休日コースだった」と回顧するリピーターの証言は、地域に根ざした名湯としての確かな存在感を物語っています。