インターネット上やSNSの断片的な情報には、初訪問者を陥れる危険な誤解がいくつか存在します。現地でのトラブルや無駄足を避けるため、知っておくべき盲点を整理しました。
第一の誤解は、「平日なら開店直後の11時半に行けば普通に並んで食べられる」という思い込みです。先述の通り、同店は整理券方式を完全導入しています。11時半に店頭に到着した時点で、すでにその日の予定杯数分の整理券がすべて吐き出され、「完売・本日分終了」となっているケースが日常茶飯事です。開店時刻は「食べ始める時間」ではなく、「午前の早い段階で整理券を手に入れた選ばれし客が席に着く時間」に過ぎません。
第二の誤解は、「LINE呼び出し通知が来てからゆっくり移動すれば間に合う」という油断です。店舗側の規定では、呼び出しから一定時間(概ね15分程度)店頭に現れない場合、自動的にキャンセル扱いとなるリスクがあります。荏原中延から離れた五反田や大崎などで待機している場合、電車の遅延や乗り継ぎの乱れによって、せっかく数時間待った整理券が無効化される悲劇が起こり得ます。目安として、「呼び出し予定番号の3〜5番前」には必ず駅前に戻っておくのが鉄則です。
第三の誤解は、「頑固親父が仕切る敷居の高いラーメン屋」という先入観です。多賀野の厨房を牽引するのは女性店主の高野多賀子氏であり、店内は明るく清潔で、細やかな気配りに満ちています。紙エプロンの用意や荷物置きへの配慮、丁寧な挨拶など、女性の単独客や年配の愛好家が居心地悪さを感じる要素は皆無です。敷居が高いのは物理的な入手難易度だけであり、店内の空気は驚くほど家庭的で温厚です。