都内で京都の品を探す際、多くの人が陥りがちな誤解が2つあります。それらを整理しておくことで、無駄な移動や落胆を回避できます。
第1の誤解は、「関西系アンテナショップに行けば京都のものもまとめて手に入る」という思い込みです。例えば有楽町や日本橋周辺には、滋賀県の「ここ滋賀」、奈良県の「奈良まほろば館」、和歌山県の物産館など関西各県の立派なアンテナショップが存在します。しかし、これらはあくまで各県が単独で予算を拠出して設置している施設であり、京都府の産品が網羅されているわけではありません。近隣県フェアなどの例外を除き、京都の銘菓や漬物が本格的に棚を占めることはないため注意が必要です。
第2の盲点は、「京都の老舗はアンテナショップという枠組みに依存していない」という事実です。他県の産品は、地元企業の販路開拓を行政のアンテナショップが支援する形態が一般的です。しかし、京都の老舗企業(福寿園、一保堂茶舗、虎屋、鶴屋吉信、西利、土井志ば漬本舗など)は、昭和や明治、あるいはそれ以前から銀座や日本橋、丸の内の一等地に自前で店舗や百貨店直営カウンターを確立しています。
行政が間借りする「アンテナショップ」という器がなくても、民間企業単体で首都圏の超一等地に拠点を維持できるだけのブランド力と資本力を有していることこそが、京都の特異性なのです。