「見た目だけで不審物と見破るのは、もはやプロでも容易ではありません」――取材に応じた調査員はそう吐露した。かつてのような無骨な電子基板が露出した機材は姿を消し、現在主流となっているのはレンズ口径がわずか1ミリに満たない超小型ピンホールカメラだ。
セキュリティ・防犯産業の技術発展が裏目に出る形で悪用され、偽装のバリエーションは日常品全般に及んでいる。トイレットペーパーホルダーの固定ネジ、清掃用ブラシの柄、消臭スプレーのノズル脇、さらには壁のフック。Wi-Fiモジュールを内蔵し、撮影した映像をリアルタイムで遠隔地のスマートフォンへ送信するモデルも珍しくない。配線工事すら不要で、内蔵バッテリーによって数日間の稼働を可能にする製品まで出回っているのが実情だ。