コウの対岸に立つのが、東京から移住してきた美少女モデル・望月夏芽を演じた小松菜奈だ。ギャガ配給のもとで制作された本作において、菅田将暉と小松菜奈の激突は、もはや演技を超えた魂の削り合いだったと言っても過言ではない。
わずか17日間という過密かつ過酷なオール和歌山ロケ。台風が迫る荒れ狂う海辺で、ふたりは互いの美貌と剥き出しのプライドをぶつけ合った。お互いに「この現場を生き抜くことだけで精一杯だった」と後に振り返るほど、撮影現場は極限の緊張感に包まれていたという。カメラが回っていない時間すら役柄の痛烈な重圧を共有していた二人の共犯関係が、観客の呼吸を奪うほどの切迫感を生み出している。