会計検査院の業務の集大成となるのが、毎年11月前後に内閣へ提出される決算検査報告です。ここでは、国の予算執行において発生した税金の無駄遣いや不当な支出、制度設計の不備などが白日の下に晒されます。
会計検査院が公表する指摘事例は、主に以下の3つの類型に分類されます。
- 不当事項:法令や予算の定めに違反して支払われたもの、積算の誤りによる過大払いなど(例:工事費の過大積算、不正な補助金受給)。
- 制度・計理・状況改善事項:違法とは言えないものの、制度運用の不合理さによって生じた非効率(例:利用実態のないITシステムの開発・維持費)。
- 意見表示・処置要求:法令や運用の改正を関係機関に強く促す是正勧告。
実際の検査現場では、国が発注したインフラ工事の現場に直接出向いてコンクリートの厚みをミリ単位で測定したり、ITシステムの稼働ログを数億件単位で解析したりするなど、緻密かつ徹底的な実地検査が行われます。報道発表時には「〇〇省のシステム開発で数十億円が形骸化」「補助金の重複受給で数億円の返還要求」といった具体的な数値とともに社会的な関心を集め、国会での予算審議における追及材料としても活用されます。