「バーベキューの玉ねぎの切り方で網から落ちたり焦げたりしていませんか?実は切り方ひとつで甘みと食感が劇的に変わる決定的な理由とは?」——この疑問に対する科学的な答えは、玉ねぎ特有の層構造とペクチン(細胞壁を接着する成分)の熱分解にあります。
玉ねぎは中心に向かって鱗葉が何重にも重なっており、根元の「芯(生長点)」によって結着されています。一般的な家庭料理の感覚で芯を完全に切り落として薄い輪切りにしてしまうと、加熱によって細胞内の水分が蒸発した瞬間に層同士の結着が失われ、バラバラに崩壊して焼き網のスリット(通常1.0〜1.5cm幅)から炭火へ落下します。
さらに、玉ねぎに含まれる遊離糖(果糖・ブドウ糖)は約160℃以上で急激にメイラード反応およびカラメル化を起こします。BBQの炭火直上(強火エリア)は250℃〜300℃以上に達するため、薄切りにした玉ねぎは内部に熱が通って甘み成分が引き出される前に、表面の糖分だけが一瞬で炭化してしまいます。つまり、「適度な厚みを持たせて繊維を活かす切り方」と「芯の保持」こそが、ジューシーな甘みを引き出す絶対条件なのです。