テレビ中継のフレームから漏れ落ちた場所にこそ、人間の生々しい感情が溢れていた。中継所でのタスキリレー直前、プレッシャーで体が強張る中高生選手に対し、実業団のエースが肩をたたいて笑顔で言葉をかける場面があった。世代を超えて一つのタスキを繋ぐこの大会だからこそ生まれる、胸を打つ絆の瞬間だ。
また、繰り上げスタートの恐怖と背中合わせで走る後方チームの戦いも凄絶を極めた。先頭集団が華やかにゴールへと向かう陰で、あと数秒の差で本物のタスキを繋げなかったランナーが悔し涙を流す。中継カメラが捉えきれなかったそうした無数のドラマに、沿道からは惜しみない拍手が送られていた。