シリーズを象徴する悪役モジョ・ジョジョ。彼を単なる「世界征服を企むマッドサイエンティスト猿」と片付けることはできません。彼の暴走の裏には、ユートニウム博士との間に横たわる深い愛憎の歴史が刻まれています。
ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパンの公式解説において、ユートニウム博士は「遺伝子工学を研究する素敵な独身男性。しっかり者で真面目な博士だが、時にはうっかりミスしてしまうお茶目な一面も」と評されています。ガールズが誕生する以前、この博士の研究室で助手として飼われていたのが、かつて「ジョジョ」と呼ばれていた普通のチンパンジーでした。
劇場版長編映画などで明かされたモジョジョジョ誕生の経緯と真相は、実に皮肉な巡り合わせです。博士の研究室で乱暴に暴れ回っていたジョジョが、ある日博士の肘を押してしまったことで、調合中だった「砂糖、スパイス、素敵なものいっぱい」のフラスコに謎の薬品「ケミカルX」が混入。その大爆発によってスーパーヒロインであるパワーパフガールズが誕生しました。
しかし、爆発の余波を浴びたのはガールズだけではありませんでした。ジョジョ自身も強烈なケミカルXのエネルギーを受け、頭蓋骨を突き破るほど巨大な脳髄を持つ超知能生命体へと変異したのです。皮肉にも、ガールズの生みの親の一端を担ったのはモジョ自身でした。
変異後、頭部を布で覆いながら博士の愛情を求め続けたモジョでしたが、博士の視線は新しく生まれた愛くるしい3人の娘たちへと注がれ、モジョの居場所は急速に失われていきます。自身が生み出すきっかけを作った存在に親の愛を奪われるという「究極の疎外感と嫉妬」。これこそが、彼を冷徹な破壊工作へと駆り立てた決定的なトリガーでした。彼のくどい口調と執拗な自己顕示欲は、奪われた承認を取り戻そうとする悲痛な叫びの裏返しでもあるのです。