ピッチ脇で腕を組み、鋭い眼光を向ける山口智監督の一挙手一投足に、サポーターの視線は常に注がれている。掲示板で度々議論の火種となるのは、後半65分前後に切られる交代カードの意図だ。守備の強度を保ちつつカウンターの威力を維持するための決断なのか、あるいは相手のフォーメーション変更に応じたリアクションなのか。議論は真っ向から対立する。
「交代が10分遅い」「いや、あの時間帯で耐えたからこそ終盤の決定機が生まれた」。こうした相反する意見の応酬は、指揮官がチームに植え付けた緻密なポジショナルプレーへの理解の深さゆえだろう。結果論だけでは片付けられない采配のグラデーションを、ファンは言葉を尽くして解読しようと試みている。