福岡県出身の本名・緒方義博。彼のキャリアの出発点は、決して順風満帆な映画俳優街道ではなかった。1980年、伝説的なオーディション番組『お笑いスター誕生!!』で金賞を獲得し、ピン芸人「でんでん」として世に出た過去を持つ。コミカルな語り口と朴訥とした風貌で茶の間を沸かせた経験が、のちの役者人生における「間」と「緩急」の土台となった。
やがて演技の世界へと舵を切った彼は、名優たちが集う実力派プロダクション「アルファエージェンシー」に所属。森田芳光や北野武といった名匠たちの現場で端役から存在感を示し、着実にステップを上がっていった。芸人として大衆の心理を肌で知る男だからこそ、観客がどの瞬間に気を緩め、どの瞬間に恐怖を覚えるかを本能的に熟知している。