多くの人が陥る「とりあえず600Wで5〜6分加熱する」という調理法こそが、さつまいもをパサパサにしてしまう最大の原因です。これには明確な生化学的理由が存在します。
さつまいも特有の濃厚な甘みは、内部に含まれるデンプンがβ-アミラーゼという消化酵素によって分解され、麦芽糖(マルトース)へと変換されることで生まれます。この焼き芋甘くなる温度と酵素の活性領域はおよそ65℃〜75℃。この温度帯をいかに長く維持できるかが、甘さを左右する決定的な分岐点となります。
一般的な電子レンジの高出力(600Wや500W)で一気に加熱すると、イモの内部温度はわずか数分で80℃を超え、β-アミラーゼが働く間もなく熱変性して失活してしまいます。さらに、マイクロ波がさつまいも内部の水分分子を激しく振動させて一気に蒸発させるため、繊維質だけが残り、乾燥したパサパサの仕上がりになってしまうのが電子レンジ焼き芋パサパサ理由の全貌です。