曲名に冠された哲学用語「アプリオリ(a priori)」は、直訳すれば「経験に先立つもの」、すなわち生まれながらに決まっている自明の理を意味する。ACAねはこの概念を、抗うことのできない宿命や、生まれ落ちた瞬間から背負わされた呪縛の象徴として歌詞に昇華させた。オルタナティブ・ロックの激しい歪みとともに叩きつけられる言葉は、抗えない現実に対する激しい怒りと、諦念の狭間で揺れる自我を痛々しいまでに曝け出す。
ユニバーサルミュージックから世界へと配信された本作は、レーベルの持つグローバルな流通網に乗って瞬く間に拡散された。しかし、その音楽的コアにあるのは徹底して個人の内面に沈潜するパーソナルな苦悩だ。「理由もなく奪われる」「最初から決まっていた」という絶望的なコードを解読していくと、聴き手はいつの間にか自己の存在理由を問い直される感覚に襲われる。