インターネット上や地元メディアで度々話題になるのが「和田岬線の廃線・存廃問題」です。日中走らない路線であることや、並行して地下鉄海岸線が開業したことから「近いうちに廃止されるのではないか」と推測されがちですが、その背景には神戸市側の都市計画とJR西日本の経営判断のズレが存在します。
神戸市側は過去、以下のような理由からJR西日本に対して和田岬線の廃止を要望してきた経緯があります。
1. 地下鉄海岸線の乗客数低迷の打開:
建設費がかさんだ地下鉄海岸線は開業以来の乗客数が目標を下回っており、並行するJR和田岬線の通勤客が地下鉄へ移行すれば収支が劇的に改善するという見込み。
2. 道路交通の円滑化と市街地の分断解消:
和田岬線の線路や踏切が道路を横断しているため、臨海部のまちづくりや幹線道路の整備において物理的な障害となっている点。
しかし、JR西日本側にとって和田岬線は「極めて営業係数が良く、確実に利益を生み出す超優良区間」です。わずか2.7kmの単線区間で設備投資が少なく、平日の朝夕には満員の定期券客が確実に利用するため、莫大な営業利益率を維持しています。JR側が自主的に廃止する経営的メリットが乏しいため、2026年現在も廃線計画は具体化しておらず、運行が継続されています。