カメラの前で笑顔を振りまくタレントと、有権者の生活と命を預かる政治家。求められる役割は一見すれば正反対だ。だが、森下氏にとって両者は「他者からの視線を受け止め、それを社会的行動へ還元する」という一点において深く地続きだったという。
芸能界における「見られる」は、消費される対象としての受動的な視線になりやすい。対して政治の世界における「注視される」は、国民や有権者からの監視であり、厳しい承認と評価のプロセスそのものである。かつての私的な欲望や自己演出としての視線意識は、国政に足を踏み入れたことで「公共の監視下で成果を出す覚悟」へと昇華された。
「批判や監視の目を恐れていては政治家は務まらない。むしろ有権者の監視の目こそが、自分を律し、政策を実現するための緊張感になる」。彼女が周囲に漏らしたこの言葉には、タレント時代から培ってきたメンタリティの進化がはっきりと表れている。