館内の核をなすのは、地元の食生活に欠かせない「コープこうべ」だ。関西圏、とりわけ兵庫県内における生協の信頼感は極めて高い。新鮮な生鮮食品から地元産の野菜、オリジナルの惣菜まで、夕刻の売り場はレジを待つ人々の熱気で溢れかえる。
「スーパーがあるから行く」のではない。「ここに来れば日常のすべてが揃う」という安心感。それが長年培われた顧客ロイヤリティの正体だ。さらに、ファッション、生活雑貨、ドラッグストア、書店、カフェといった専門店群が脇を固める。大手のチェーン店だけでなく、長年地元で愛されてきた個人店風の佇まいを残すショップが混在するカオスな魅力も健在だ。
近年、EC(電子商取引)の拡大によってリアル店舗の価値が問われるなか、生鮮食品の質感や手触り、スタッフとの何気ない会話といった「ライブ感」の重要性が増している。ネットでは代替できない体験。消費者が日々足を運ぶ動機は、まさにその泥臭い日常性のなかに潜んでいる。