物語の核心であり、最大の衝撃。それは彼が「空条仗世文(くじょう じょせふみ)」と「吉良吉影(きら よしかげ)」の二人が融合して生まれた存在だったという事実だ。仙台市を想起させる杜王町の地表に突如現れた震災の傷痕、「壁の目」。あの不思議な隆起地帯には、埋められた物質同士を等価交換のように融合させる超自然的な力が潜んでいた。
瀕死の重傷を負った吉良吉影を救うため、仗世文は「等価交換の果実」であるロカカカを口にした。しかし、崩壊する地盤と「壁の目」の泥が二人の肉体を巻き込み、奇蹟と呪いが交差する。結果として生まれたのが、どちらでもありどちらでもない第三の人間、東方定助である。半身ずつ混ざり合った皮膚や二色の瞳、そして二重の歯形。彼が抱える肉体的な違和感は、過酷な運命の爪痕そのものだった。