早朝4時半。かつては包丁の音が響き、蒸気が満ちていた病院の厨房。今、その光景が激変している。全国の医療施設で調理師や栄養士の採用難が極まり、従来のように「施設内でイチから手作りする」給食体制は限界を迎えた。最低賃金の上昇とエネルギーコスト、食材費の高騰が重くのしかかり、給食事業からの撤退を余儀なくされる中小事業者が相次いでいる。
医療機関において、食事は単なる空腹を満たす手段ではない。疾患ごとの緻密な減塩食やタンパク質制限食、誤嚥を防ぐためのとろみ調整など、治療の一環としての厳しい精度が求められる。現場の疲弊によるクオリティ低下は、そのまま患者の健康リスクに直結する。この深刻なジレンマが、2026年の現場を強く締め付けている。