代表メンバー発表後、ファンやネットコミュニティの間で巻き起こったのが「なぜ所属リーグで首位打者や本塁打王を獲得したスター選手が落選したのか」という疑問でした。ネット上では「六大学や東都の選手が優遇されているのではないか」といった偏向選考を疑う声も散見されますが、現場の取材で見えてきた理由は極めて合理的かつ冷徹な戦術的必然性でした。
第一の理由は、「守備位置のユーティリティ性と走塁スペック」です。国際大会の登録枠はわずか24名。一塁手や指名打者専任のスラッガーを複数抱える余裕はなく、複数の内野ポジションを守れる器用さや、代走から一気に本塁を陥れられる50メートル走5秒台後半のトップスピードがなければベンチワークが機能しません。リーグ戦で圧倒的な打率を誇っていても、守備範囲の狭さや走塁判断に課題を抱える選手は選考レースで後塵を拝することになりました。
第二に、「初球からストライクゾーンを攻められた際の対応力」が挙げられます。海外の審判員は外角低めや高めのゾーンを広く取る傾向があり、日本のリーグ戦のようにじっくり四球を待つアプローチは通用しません。追い込まれる前に甘い球を仕留められる積極性と、動くボールに対応できるコンパクトな軌道を描ける打者が最優先された結果、大振り傾向のある強打者が選考漏れとなるケースが相次いだのです。