インターネット上のマナー解説サイトでは、「横書きの手紙はどんな相手にもNG」「縦書き以外は礼儀知らず」といった極端な意見や、逆に「現代では何でも横書きで問題ない」という無責任な言説が錯綜しています。現場の実態と照らし合わせた誤解の真相を整理します。
誤解1:「横書きの手紙には『拝啓』を使ってはならない」という説の真相
「横書きは洋風だから、日本の『拝啓』『敬具』を使ってはいけない」という主張が一部で見られますが、これは完全な誤解です。現代の国語表現および手紙実務において、横書きの便箋に「拝啓」「敬具」を用いることは正式に認められています。むしろ、ビジネス上の少しくだけた連絡や、年配の知人へ失礼のないよう横書きで送る際には、頭語・結語を配することで文章全体の礼節が保たれます。
誤解2:「便箋が1枚で終わるのは縁起が悪いから白紙を重ねるべき」という慣習
縦書きの正式な手紙では「白紙の便箋を1枚添えて2枚重ねにする(重なることを祝う、または礼を尽くす)」という旧来のしきたりが存在しました。しかし、横書きの手紙においては白紙を重ねる必要は一切ありません。むしろ1枚で簡潔にまとめられた横書きの手紙に白紙が同封されていると、受取人が「何か書き忘れがあるのではないか」と余計な詮索をしてしまう要因になります。横書きは1枚完結がスマートな美徳とされています。