甘露寺蜜璃を語る上で欠かせないのが、少女然とした外見からは到底想像もつかない「常人の8倍」という筋密度を誇る特異体質です。外見上は脂肪のつきすぎないしなやかなプロポーションを保ちながら、その内部には鋼のような筋肉繊維が超高密度で圧縮されており、生後1年2ヶ月で四貫(約15kg)の漬物石を持ち上げたという逸話を持ちます。
この異次元のフィジカルと天性の関節の柔軟性が合致したことで、彼女にしか扱えない奇跡の武器が誕生しました。それが、刀鍛冶の里の長・鉄地河原鉄珍が鍛え上げた「薄く、しなやかなリボン状の日輪刀」です。鋼鉄でありながら新体操のリボンのようにしなり、極めて不規則な軌道を描くこの武器は、並の剣士であれば自らの肉体を切り刻んでしまうため扱うことすらできません。彼女の超人的な腕力と、アクロバティックな身体操作があって初めて成立する超高等武術です。
彼女が炎の呼吸から派生させて独自に編み出した「恋の呼吸」の技一覧は、その俊敏性と攻撃範囲の広さを如実に物語っています。
- 壱ノ型 初恋のわななき(はつこいのわななき):目にも留まらぬ速度で間合いを詰め、幾重にも重なる斬撃で敵を刻む基本技。
- 弐ノ型 懊悩巡る恋(おうのうめぐるこい):刃をしならせ、円軌道を描くことで自らの身を守りつつ広範囲の敵を両断する迎撃技。
- 参ノ型 恋猫しぐれ(こいねこしぐれ):跳躍から猫のような身のこなしで宙を舞い、敵の飛び道具や広範囲攻撃を切り裂き無力化する。
- 伍ノ型 揺らめく恋情・乱れ爪(ゆらめくれんじょう・みだれづめ):関節を極限まで柔らかく使い、広範囲にわたって複雑怪奇な斬撃の網を展開する。
- 陸ノ型 猫足恋風(ねこあしこいふう):超絶的な反応速度で身を翻し、敵の不可視の猛攻をすべて切り払いながら回避する防御・回避一体の技。
「刀鍛冶の里編」のクライマックスでは、憎珀天の激しい攻撃を耐え抜く中で、首筋から鎖骨にかけてハートが向かい合ったような形状の「痣」が発現。心拍数200以上、体温39度という致死レベルの極限状態をクリアし、彼女の潜在能力はさらに跳ね上がりました。この痣の発現によって、彼女は上弦の肆が繰り出す木龍の猛威を一人で夜明けまで食い止め続けるという、鬼殺隊の歴史に残る偉業を成し遂げたのです。