ライト層や未体験者の間では、「浜田省吾のライブは定番のヒット曲が決まっていて、いつ行っても同じような曲順なのではないか」という誤解が根強く囁かれることがあります。しかし、この言説は歴代ツアーセットリスト一覧と近年のステージ設計を精査すれば完全に事実無根であることが判明します。
浜田省吾のステージにおける「ON THE ROAD セットリスト」は、一見すると代表曲が配置されているように見えて、その実、アルバムごとのコンセプトと時代背景を冷徹に反映させた構造転換が常に行われています。たとえば前回のツアーがアリーナの巨大なスケール感を活かしたロックオペラ的展開だったのに対し、今回の「Under The BLUE SKY」では、あえて生演奏の肉体性とアンサンブルの息遣いを際立たせるアレンジへとシフトしています。
ネット上の安易な要約情報だけを見て「どうせ定番曲の羅列だろう」と高を括っていると、突如として投下される初期のレアトラックや、大幅にコード進行とリズムを再構築されたセルフカバーの切れ味に完全に度肝を抜かれることになります。予定調和を嫌い、常に現在進行形のリアリティを追求する姿勢こそが、半世紀にわたりチケットが即日完売し続ける最大の理由です。