PASMOとSuicaの違いを徹底比較したとき、一体どっちがお得なのかを左右する最大の要因は「どの鉄道会社の路線を最も頻繁に利用するか」と「どのクレジットカードからチャージするか」の2点に集約されます。海外向けの旅行メディアや報道各社の調査レポートでも「日本国内のほぼすべての電車、バス、店舗で相互利用できるため、単なる移動手段としてはどちらを選んでも大差はない」と指摘されていますが、国内の生活者にとってはポイント経済圏の選択そのものと言っても過言ではありません。
決定的な理由のひとつが、JR東日本が展開するJRE POINTの圧倒的な貯まりやすさと汎用性です。モバイルSuicaにビューカードを紐づけてオートチャージまたはチャージを行うと、それだけで1.5%という高水準の還元率を実現できます。さらにJR東日本の在来線に乗車するたびに、モバイルSuicaなら利用金額の2.0%(カードタイプのSuicaは0.5%)のポイントが自動的に付与されます。駅ビル(アトレやルミネなど)やNewDaysでの買い物でもポイントが二重取りできるため、生活圏にJRが含まれている場合はSuicaが頭ひとつ抜けた存在となります。
一方で、私鉄や地下鉄が運営するPASMOには「単一の共通ポイントが存在しない」という構造的な特徴があります。PASMOは東京メトロ、東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄、東武鉄道、西武鉄道、京浜急行電鉄など複数の事業者が共同で設立した仕組みであるため、ポイント還元は各鉄道会社が個別に提供するプログラム(東京メトロのメトロポイントPlusや小田急の小田急ポイントなど)に事前登録して初めて機能します。この仕組みを理解せずに「ただ現金でチャージしてPASMOを使っている」状態では、1円分のポイントも還元されないという厳しい現実があります。
上の比較表からも明らかなように、JRE POINTの還元率と比較した際の手軽さではSuicaに軍配が上がります。しかし、東京メトロを日常的に利用する人がメトロポイントPlusの貯め方をマスターし、ソラチカカードやTo Me CARD Primeなどの対象カードを組み合わせた場合、平日の乗車1回につき数ポイント〜数十ポイント、土休日はさらに倍増といった固定ポイントが加算されるため、短距離区間を頻繁に乗り降りするユーザーにとってはPASMOの方が実質還元率で上回るケースも珍しくありません。