2025年の万博閉幕以降、大阪市内の不動産投資熱は冷めるどころか、西成区や天王寺区周辺へとなだれ込んでいる。とりわけ夢洲のIR開業計画が具体化を帯びるにつれ、ミナミの南端に位置するこのエリアは、国内外の投資家にとって「残された一等地」として浮上した。
古くからの簡易宿泊所(ドヤ)が相次いでリノベーションされ、スタイリッシュなブティックホテルやゲストハウスへと姿を変える中、木造建築が密集する街の足元にも地価上昇の波が迫る。かつての「労働者の街」という陰影は薄れ、外資系ファンドや大手ディベロッパーの影がちらつく。伝統的な暖簾を守ろうとする旧来の所有者と、土地売却を迫る開発事業者との間で、目に見えない攻防が日夜繰り広げられている。