Q1:敷地内に無断駐車されている車を、レッカー移動して勝手にスクラップにしてもいいですか?
A1:絶対にやってはいけません。日本の法制度では、裁判所の手続きを経ずに実力で権利を回復する「自力救済」が厳格に禁止されています。勝手に移動や処分を行うと、逆に器物損壊罪や不法行為に基づく損害賠償責任を問われるリスクがあります。まずは警察へ通報して所有者の照会と警告を求め、応じない場合は占有回収や妨害排除の法的手続き(仮処分や訴訟)を踏む必要があります。
Q2:損害賠償請求と妨害排除請求の違いは何ですか?併せて請求できますか?
A2:妨害排除請求は「現在起きている違法な侵害状態を取り除くこと」を目的とする物権的請求であり、相手の故意・過失は不要です。一方、損害賠償請求は「過去の違法行為によって被った金銭的損害を補填させること」を目的とし、相手の故意・過失が必須となります。両者は目的が異なるため、訴訟実務ではセット(併合請求)で申し立てるのが極めて一般的です。
Q3:相手に資力がなく、裁判で勝っても撤去費用を回収できない恐れがあるときは?
A3:勝訴判決を得た後、裁判所の「代替執行」を利用して原告側で撤去を行い、かかった費用を債権として相手方の預貯金や給与、その他の財産を差し押さえる流れになります。相手方に目ぼしい財産がない場合は費用の完全回収が難しくなる現実もありますが、近年は自治体の空き家対策特措法に基づく行政代執行の活用や、2023年改正民法の財産開示手続の強化を利用して回収を図るケースが増えています。