ネット上の進路相談コミュニティなどで散見される代表的な誤解に、「豊田工業大学に入学すれば、無試験・無条件でトヨタ自動車の幹部コースが約束される」という神話があります。取材班がOBおよび採用関係者に照会した結果、この認識は誤りであることが判明しています。
当然ながら、トヨタ自動車への入社選考は他大学の学生と同様に厳格な採用基準に基づいて行われます。大学が推薦枠を丸抱えして無条件に送り込むわけではなく、面接での技術的知見やリーダーシップ、論理的思考力がシビアに判定されます。ただし、日常の研究室レベルでトヨタや提携企業の共同研究が日常的に走っており、産業界の最前線の技術トレンドを肌で知っているため、結果として面接通過率や内定受諾率が異常に高くなるというのが実情です。
また、もうひとつの盲点は大学院への進学率の高さです。豊田工業大学の学部卒業生の約7割以上が大学院修士課程へと進みます。その進路先は学内の豊田工業大学大学院にとどまらず、名古屋大学大学院、東京科学大学(旧東京工業大学)、京都大学大学院といった旧帝大クラスのトップ大学院への外部進学も珍しくありません。大学側もこれを用心深くサポートしており、シカゴに設置された姉妹校「豊田工業大学シカゴ校(TTIC)」との連携も含め、グローバル基準の研究者育成を本気で推進しています。「就職予備校」というレッテルは一面的なものに過ぎず、本質は極めてアカデミックな研究拠点です。