長年愛されてきたみゆきハマバルリゾートが営業停止へと追い込まれた背景には、複数の構造的要因が重なっています。業界関係者の証言や周辺リゾートの動向から見えてくるみゆきハマバルリゾートの閉館理由は、大きく分けて以下の3点に集約されます。
第1の要因は、建物の老朽化と莫大な維持管理コストです。海沿いに建つリゾートホテルは常に塩害に晒されており、コンクリートの劣化や配管の腐食進行が内陸部と比べて格段に早いという宿命を抱えています。みゆきハマバルリゾートは1970年代〜1980年代のリゾートブーム期に設計された意匠を色濃く残しており、現代の旅行者が求める水回りの機能性や耐震基準、断熱性能を満たす全面改修には数十億円規模の投資が必要とされていました。
第2の要因は、団体・修学旅行依存型ビジネスモデルの終焉です。かつて同館は、収容人数の多さとリーズナブルな価格設定を武器に、全国の高校・中学校の修学旅行生や大型ツアー客を大量に受け入れることで高い稼働率を維持していました。しかし、旅行形態が「大型団体」から「小グループ・個人旅行(FIT)」へと劇的にシフトし、旅行者が求める体験も「安価な大部屋」から「プライベート感と高付加価値」へと激変しました。
第3の要因は、運営会社(株式会社みゆきリゾート)による経営資源の選択と集中です。限られた資本と人材の中で、至近距離にある「ホテルみゆきビーチ」と「みゆきハマバルリゾート」の2館を同時に維持することは極めて非効率でした。結果として、よりビーチアクセスに優れ、拠点機能を集約しやすいホテルみゆきビーチへ経営資源を集中させる経営判断が下されたとみられます。