多くの人が彼女を知ったきっかけは、マウンドからの見事なノーバン投球だったかもしれない。しなやかなフォームから放たれる快速球。しかし、彼女の本質はアスリートではなく、どこまでも「表現者」だ。ここ数年で彼女が選んできた役柄は、どれも一筋縄ではいかない影を持つ人物ばかりだった。
特に昨年末に公開された単館系映画での、心を病んだ妹役の演技は凄まじかった。台詞の少なさを補って余りある、視線の揺らぎ。観客は彼女の沈黙に息を呑んだ。ただ可愛いだけの若手女優なら、今の時代いくらでも替えがきく。だが、彼女が放つ独特の危うさは、誰にも真似できない唯一無二の武器となっている。