2021年8月、チャラン・ポ・ランタンは7年間所属したエイベックスとの契約を満了し、円満に独立。翌月には自らの会社である「合同会社ゲシュタルト商会」を設立しました。メジャーレーベルの後ろ盾を捨て、自立の道を選んだ理由には、彼女たちならではの哲学があります。
表面的な不和やトラブルによる独立ではありません。最大の要因は「創作とビジネスのスピード感、そして全方位のクリエイティブを自分たちの手元に取り戻すこと」でした。
小春は楽曲制作だけでなく、ステージ衣装の裁断や縫製、CDジャケットのアートワーク、物販グッズの企画に至るまで、ユニットに関わるすべてのビジュアル・プロダクトを手作りすることに強いこだわりを持っています。しかし、巨大なメジャー資本のシステム下では、グッズ一つを製造するにも幾重もの企画書承認やマージン構造が存在し、ファンの声に即座に応える身軽さが制限されがちでした。
独立後のゲシュタルト商会では、小春自らがミシンを動かして制作した一点モノのバッグや小物を公式ECでダイレクトに販売し、ライブの企画・制作・プロモーションをすべて姉妹と少数のスタッフで完結させています。中間コストを極限まで削ぎ落とし、ファンと1対1で向き合うこの運営形態は、現代の音楽家が生き残るための持続可能なモデルケースとして業界内でも注目を集めています。