娘を突然失った母・高橋幸美さんの深い悲しみと怒りは、日本の労働環境を大きく変える原動力となりました。幸美さんは愛娘の死を無駄にしないため、実名を公表して過労死防止の啓発活動を開始します。
命日や過労死防止月間に合わせて発表される手記や講演活動では、企業に対する長時間労働の是正、若手社員へのハラスメント撲滅、そして「命より大切な仕事はない」というメッセージを一貫して訴え続けてきました。
遺族の勇気ある行動は世論を大きく動かし、政府が推進した「働き方改革関連法」における残業時間の上限規制(罰則付き)の導入に決定的な影響を与えました。母親としての尽きることのない愛情が、法制度の壁を打ち破る力となったのです。