自作PCケースをデザイン重視で選んだユーザーから「組み立て後に激しく後悔した」という声が上がる最大の原因は、吸排気(エアフロー)設計の軽視による熱問題です。フロントやサイドを全面密閉型のガラスやアクリルで覆ったモデルは、外観こそスタイリッシュですが、外気を取り込むスリットが極端に狭い場合があります。その結果、高負荷時にケース内部が熱ごもりを起こし、グラフィックボードやCPUのクロックが強制的に低下するサーマルスロットリングを引き起こします。
熱がこもると、冷却システムはファンを最高回転数で回し続けるため、常用時の騒音レベルが跳ね上がります。「静かで美しい作業環境」を目指していたはずが、常に掃除機のような轟音が響くデスク環境になってしまうのは典型的な失敗パターンです。
また、内部容積とメンテナンス性の見落としも挙げられます。コンパクトで洗練された外観を優先するあまり、最新の大型GPUが入らない、裏配線スペースが数ミリ足りずにサイドパネルが閉まらないといった物理的な干渉トラブルが発生します。さらに、クリアガラスパネルは指紋や内部のホコリが目立ちやすく、こまめな清掃を怠ると一気に生活感が出てしまう点も覚悟が必要です。