多くの一般層にとってPL教団の名を決定づけていた二大シンボルが、名門「PL学園野球部」と「PL花火大会(教祖祭PL花火芸術)」でした。しかし、この二つの象徴の終焉は、教団本体の衰退と完全に軌を一にしています。
野球部休部の理由:単なる不祥事ではなく「学校経営と信者子弟の枯渇」
桑田真澄氏、清原和博氏の「KKコンビ」をはじめ、立浪和義氏、松井稼頭央氏、前田健太氏ら錚々たるスターを輩出したPL学園野球部。2016年夏の大会を最後に60年の歴史に幕を下ろし、休部となったPL学園野球部休部の理由は、世間一般では「度重なる部内暴力事件への高野連の処分」と記憶されがちです。しかし、内情ははるかに深刻な構造問題を抱えていました。
当時の関係者やOBの証言によると、PL学園は本来「信者子弟の教育施設」として設立され、授業料免除や手厚い野球部寮(研志寮)の運営費は教団本部の潤沢な資金によって支えられていました。しかし信者数の急減に伴い、学校法人への財政支援が限界に達します。さらに、野球部員に対しても教団への信仰(朝夕のお祈りやみおしえの実践)が厳格に求められる特殊な環境に対し、平成後期になると甲子園を狙う有望中学生やその保護者が敬遠するようになりました。
結果として信者枠での優秀な生徒集めが破綻し、教団理事会側も「莫大な維持費がかかり、暴力問題で教団イメージを傷つける野球部」の存続に消極的になったことが、休部という決断の決定打となったのです。
PL花火大会休止の真相:1回数億円の運営費と信者献金の限界
毎年8月1日に開催され、短時間に約2万発以上を打ち上げる怒涛のラスト「巨石崩し」で知られたPL花火大会休止の真相もまた、財政的破綻と安全管理体制の破綻にあります。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大を理由に中止が発表された際、信者やファンは「事態が収束すれば再開される」と信じていました。しかし、感染症対策が解除された以降も花火が打ち上げられることはありませんでした。富田林市周辺の警備費用、近鉄電車の臨時ダイヤ調整、群衆事故を防ぐための厳格な警備態勢の確保には、1回あたり数億円単位の経費が発生します。かつては信者からの「感謝金(お布施)」や特別協賛金で容易に賄えていたこの巨額費用が、信者の減少と高齢化によって完全に調達不能となったのです。地元自治体や観光協会との折衝においても、教団側から安全確保を担保できる資金と人員の計画が提示できず、事実上の永久休止状態に追い込まれています。