ご祝儀袋の書き方には、ボールペンの是非以外にも、ネット上で誤った情報が流布していたり、見落とされがちな落とし穴が存在します。特に注意すべき2つの盲点を解説します。
1. 薄墨と濃墨の混同という致命的ミス
筆ペンを手に入れた安心感から、誤って「薄墨(うすずみ)ペン」を使ってしまう事例が後を絶ちません。コンビニエンスストアの文具コーナーには、慶弔両用として1本に「濃墨」と「薄墨」の両端がついたツインペンが並んでいることが多いためです。
薄墨は、「突然の訃報に涙がこぼれ、墨が薄れてしまった」「急ぎ駆けつけたため、墨を十分にすれなかった」という深い悲しみを表す香典(弔事)専用の作法です。これをお祝い事である結婚式のご祝儀袋に使ってしまうと、ボールペン以上の重大なマナー違反となります。結婚式のご祝儀袋には、必ず漆黒の「濃墨」を使用してください。
2. 中包みの住所・大字(旧字体)の正しい記載
中袋の表面には包んだ金額を、裏面には包んだ人の住所と氏名を記載します。金額を書く際は、改ざんを防ぐための伝統的な慣習として「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」「伍(五)」「拾(十)」「萬(万)」といった大字(だいじ)を用いるのが正式な作法です。
例えば3万円を包む場合は、「金 参萬圓」または「金 参萬円」と書きます。近年のカジュアルなウェディングでは「金 三万円」と略字で書いても咎められることは少なくなりましたが、大字を用いることで丁寧さと教養が伝わります。また、中包みの住所書き方においては、郵便番号やマンションの部屋番号まで省略せずに記載することが、受取人の事務負担を軽減する心配りとなります。