温泉地として全国的な知名度を誇る黒川温泉において、黒川温泉旅館山河が人気の理由として第一に挙げられるのが、敷地内に湧出する「2本の異なる自家源泉」の存在です。多くの温泉宿が単一の源泉を各浴槽に配湯するなか、山河では全く異なる泉質と効能を持つ湯を贅沢に完全かけ流しで使い分けています。
1つ目の源泉は、内湯「薬師の湯」に注がれる単純硫黄泉です。湯口からはほのかな硫黄臭が漂い、淡い青白さを含んだ湯には細かな湯の花が舞います。古くから皮膚病や切り傷、疲労回復に効くと伝承される「薬湯」の趣を色濃く残しており、入浴した瞬間に肌をキュッと引き締めるような本格的な浴感が特徴です。日本秘湯を守る会公式の宿にふさわしい、野趣あふれる湯力を肌で実感できます。
対して2つ目の源泉は、混浴露天風呂「もやいの湯」や女性専用露天風呂「四季の湯」に注がれる「ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉」です。こちらは肌の古い角質をやさしく落とす重曹成分と、潤いを閉じ込める塩化物成分が共存する、いわば天然の化粧水のような泉質を誇ります。湯上がりの肌がしっとりとなめらかに整うことから、美肌効果を目的とする女性客を中心に絶大な評価を獲得しています。
大分県や熊本県の温泉地調査を手掛ける温泉療養指導士への取材によると、「同一の宿の敷地内で、酸性寄りの硫黄泉で肌を殺菌・引き締め、その後に中性の炭酸水素塩泉で保湿と保護を施すという『機能浴』が完結する環境は全国的にも極めて希少」と分析されています。この圧倒的な湯巡り体験こそが、一度訪れた旅行者をリピーターへと変える決定的な原動力となっています。