笑福亭鶴瓶という芸人の破天荒さを象徴する最大の事件が、1977年に発生した東京12チャンネル(現・テレビ東京)出禁事件です。当時20代半ばだった鶴瓶は、上方落語の枠にとどまらず、アフロヘアーにオーバーオールという異色のスタイルで若者を中心にカルト的な人気を博していました。しかし、全国区での知名度獲得に焦る若手芸人としての渇望が、生放送での暴走へと直結します。
引き金となった舞台は、俳優の山城新伍が司会を務めていた深夜の生放送お色気情報番組『独占!男の時間』でした。鶴瓶は以前の放送回でも、スタジオ内に設置されたプールに衣服を脱ぎ捨てて飛び込むなど過激なパフォーマンスを敢行し、局内を騒然とさせていました。そして決定打となったのが、番組の最終回間近に起きた事件です。
当時の特番インタビューや回想録で本人が語った証言によると、共演者やスタッフからの「最後だから何かドカンとやってくれ」という煽りを受け、極限のテンションに達した鶴瓶は、カメラが正面から捉える中で突如として下半身を完全に露出。あろうことか、その場にはスタジオ視察に訪れていた当時の東京12チャンネル社長・中川順氏が同席していました。社長の目の前で卑猥な行為を晒した形となり、スタジオは一瞬で凍りついたと伝えられています。
激怒した局上層部は即座に番組の即時降板を決定。単なる1番組の降板にとどまらず、東京12チャンネルおよび後のテレビ東京の全番組への出演を全面禁止する「無期限の出禁処分」が下されました。このペナルティは、単なる口頭注意のレベルを遥かに超え、実に28年間(10,000日以上)にわたって継続することになります。