エンターテインメント業界における二世俳優の評判は、時代とともに劇的な変化を遂げています。1980年代から2000年代初頭にかけては、親の知名度を前面に押し出したプロモーションが主流でしたが、現在評価されているタレントの多くは、むしろ「親の名前を徹底的に隠して臨んだオーディション」をそのデビュー経緯に持っています。
たとえば、映画『沈黙 -サイレンス-』などで頭角を現した笈田ヨシさんの薫陶を受けた若手や、演劇界で下積みを重ねた柄本佑さん・柄本時生さん兄弟(父:柄本明さん、母:故・角替和枝さん)のキャリアは、その典型例です。彼らは名優の両親を持つプレッシャーを背負いながらも、小劇場の泥臭い舞台やインディーズ映画で徹底的に演技の基礎を磨き上げました。
その結果、柄本兄弟は今や日本映画界に欠かせない唯一無二のバイプレーヤーとして、監督たちから熱烈なオファーを受け続けています。観客側も「誰の息子か」ではなく「スクリーンの上でどのような感情を表現できるか」をシビアに見定めており、親の名前という免罪符が通用しない時代だからこそ、本物の実力を持つ二世タレントが確固たるリスペクトを勝ち取っているのです。