最高裁判所の司法統計年報によると、家庭裁判所に申し立てられる離婚調停の申立動機において、男女ともに不動の1位を占めているのが「性格が合わない(性格の不一致)」です。不貞行為や暴力といった明確な不法行為を抑え、全体の過半数近くでこの理由が挙げられています。
春田法律事務所やベリーベスト法律事務所などの実務解説でも指摘されている通り、実務上の「性格の不一致」とは、価値観や生活習慣、金銭感覚、家族に対する取り組み姿勢などの根本的な違いを指します。浮気やDVのように目に見える契約違反はないものの、日々の微細な摩擦の蓄積によって信頼関係が完全に摩耗してしまった状態全般を包括しています。
かつてのように「多少の我慢は家庭の美徳」と捉えられていた時代から、個人の精神的自立やキャリア形成が尊重される社会へとシフトしたことで、違和感を抱えたまま一生を添い遂げることへの疑問が強まりました。子育てが一段落したシニア層における性格の不一致を起因とした熟年離婚の相談件数も高止まりしており、単なる一過性の感情ではなく、人生後半の再設計として捉える動きが定着しています。