ジャパンコーマスケール完全解説!3-3-9度方式の覚え方とGcs比較

ジャパンコーマスケール完全解説!3-3-9度方式の覚え方とGcs比較

ジャパンコーマスケール完全解説!3-3-9度方式の覚え方とGcs比較にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

JCSを使いこなす上で絶対に欠かせないのが、数字の後ろに付与する付加情報(R・I・A)の存在です。単なる数字の記録だけで終わらせてしまうと、背後に隠れた急激な病態悪化の兆候を見逃すリスクが生じます。

日本脳神経外科学会が定めた付加情報の定義は以下の3つです。

  • R(Restlessness:不穏): 点滴を自己抜去しようとしたり、大声を上げて暴れる、ベッドから起き上がろうとするなど、興奮状態やせん妄が混在している状態(例:JCS 1-R、JCS 20-R)。
  • I(Incontinence:失禁): 意識障害の発症に伴い、尿や便の排泄コントロールを失った状態(例:JCS 3-I、JCS 30-I)。急性期の脳血管障害やてんかん発作の強力な客観的証拠となります。
  • A(Aphasia:失語症): 大脳皮質(優位半球)の言語野が障害され、言われたことが理解できない、あるいは言葉を発することができない状態(例:JCS 1-A)。

インターネット上の掲示板やSNSでは、「JCSの数字が1桁なら危険性は低い」といった短絡的な言説が散見されます。しかし、これは極めて危険な誤解です。

例えば、くも膜下出血の初期や慢性硬膜下血腫の増大期では、患者は一見普通に会話しているように見えて「JCS 1」と評価されがちです。しかし、数時間後に急激な再出血や脳ヘルニアを起こし、一気にJCS 300へと暗転する症例は臨床現場で日常的に経験されます。数字の低さに油断せず、経時的な変化(タイムコース)と付加情報(R・I・A)をカルテへ正確に残すことが、医療事故を防ぐ最大の防壁です。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。