NCT WISHの市場受容において最も興味深い現象が、日本と韓国における1位・上位メンバーの顔ぶれの違いです。音楽関係者の分析や現地ファンの動向を突き詰めると、両国のエンタメ消費文化と美意識の違いが鮮明に浮かび上がってきます。
韓国市場において絶大な人気を誇るのがユウシとシオンです。韓国のK-POPファンは、ダンスの「緩急の付け方(グルーヴ感)」や「SMエンターテインメントの伝統的なボーカルライン・トーン」を極めて厳格に評価する傾向があります。長年の練習生期間を経て培われたユウシの無駄のないダンススキルと独特のアンニュイな美声は、韓国のカルチャー層に「SMイズムの完全な継承者」として熱狂的に受け入れられています。また、リーダーのシオンが見せる高身長かつ端正な正統派ビジュアルと、弟たちを優しく包み込む頼もしい兄(ヒョン)としての振る舞いは、韓国現地で絶大な支持を集めています。
一方、日本市場で凄まじい熱量を集めているのがリクとサクヤです。リクはオーディション番組『NCT Universe : LASTART』で堂々の1位を獲得した実力派でありながら、ステージを降りた際に見せる飾らない笑顔や福井弁の親しみやすさのギャップが、日本のファン心理を強烈に掴んでいます。音楽番組やコンサート直後の個人チッケム再生回数において、日本発のトラフィックではリクが常にトップ争いを牽引しています。さらに、最年少のサクヤが見せる「パン好き」に代表される等身大の無邪気さと、楽曲内で見せるクールな低音ラップのギャップは、日本の育成・見守り型ファンカルチャーと抜群の親和性を誇ります。