数あるシーサーペントの目撃談の中で、最も信頼性の高い一次史料として扱われるのが、1848年に起きたダイダロス号事件です。
南大西洋の喜望峰沖を航行していたイギリス海軍のフリゲート艦「ダイダロス号」において、ピーター・マックォーエ艦長をはじめとする複数の乗組員が、水面から頭部を約1.2メートル突き出して時速約20キロメートルで泳ぐ細長い巨大生物を目撃しました。その体長は水面に見えている部分だけでも18メートルを超え、首の後ろ側には暗褐色のたてがみ状の突起が見られたと証言されています。
帰港後、マックォーエ艦長は英国海軍本部に詳細な公式報告書と精密なスケッチを提出しました。規律に厳しい海軍士官がキャリアを賭けて提出したこの公式記録は、『タイムズ』紙をはじめとする当時の主要紙に大々的に報道され、オカルトの枠組みを超えた学術的論争を巻き起こす発端となりました。