私たちが日常的に「黒目」と呼んでいる部分は、医学的には「虹彩(こうさい)」と呼ばれる薄い膜です。この虹彩に含まれるメラニン色素の量こそが、瞳の色を決定づける唯一の要因です。
日本人を含む東アジア人の多くは、紫外線から眼球内部の組織を守るために虹彩内にメラニン色素がぎっしりと蓄積されています。メラニン色素自体は濃い茶褐色をしており、色素が極限まで密集していると遠目には黒色に見えます。しかし、拡大レンズや強い光を当てて観察すると、実際にはダークブラウン(濃褐色)であることが明確に分かります。
瞳孔(光を取り込む中心の穴)は光を吸収するため完全な黒に見えますが、その周囲を取り囲む虹彩そのものが「純黒」に染まることは生物学の構造上あり得ません。これが「日本人の目の色は実は黒ではない」とされる決定的な理由です。