全国の剣道連盟審査会や高校・大学の強豪道場を観察すると、段位が上がるにつれて「正眼の構え」の評価基準が明確に変化している事実が浮かび上がります。
初段〜三段の審査では「肘の曲がり具合」「足幅の広さ」「竹刀の握り方」といった外形的な正確さが重視されます。しかし、六段・七段・教士といった高段位審査の現場では、外形以上に「構えから発せられる気迫と中心の支配力」が合否の決定打となります。
審査員の指導講評でも頻繁に指摘されるのが、「打つ前からすでに勝っている構えができているか」という点です。左足の踵(かかと)が浮きすぎず、腰骨がしっかりと立ち、相手に一切の打突機会を感じさせない正眼こそが、現代剣道における最高峰の評価を獲得しています。