本作の評価を不動のものにしたのは、当時20代前半だった濱田岳と瑛太の類まれな演技力です。世間知らずでどこか間の抜けた新入生・椎名を演じた濱田岳は、観客が感情移入しやすい完璧な「巻き込まれ役」を体現しました。
対する瑛太は、飄々とした軽快さの奥に底知れぬ哀愁と復讐の炎を宿す難役を怪演。彼が発する「裏切りは許さない」という静かな怒りの視線は、結末を知った後で見返すとまったく異なる凄惨な意味を帯びて迫ってきます。
加えて、琴美役を凛とした強さで演じた関めぐみの存在感が、取り返しのつかない喪失の痛みをスクリーン全体に刻みつけました。