今回の調査で最大の焦点となったのが、CBT(Computer Based Testing)への段階的移行に伴う影響である。紙のテストであれば余白にメモを取り、下線を引きながら論理を組み立てられた。だが、画面上でのスクロールやウィンドウの切り替えに手間取り、本来の思考力を発揮しきれなかった子どもたちが少なからず存在した。
都内の中学校教諭はこう漏らす。「普段からタイピングに慣れている生徒と、フリック入力しかできない生徒の間で、記述にかかる時間に決定的な差が出た。これは学力テストなのか、それとも情報端末の操作適性検査なのか」。
国立教育政策研究所による事前検証では、出題形式による測定バイアスを最小限に抑える試みが重ねられてきた。それでも、文章の全体像を俯瞰する「紙の強み」と、インタラクティブにデータを操作する「デジタルの強み」の間で、子どもたちの認知的負荷が跳ね上がったことは紛れもない事実だ。