旧統一教会における合同結婚式は、正式には「国際合同祝福結婚式」あるいは単に「祝福式」と呼ばれます。単なるブライダルイベントではなく、教団の教理体系(統一原理)において人類救済のための最重要儀式と位置づけられています。
教理によれば、人類の始祖であるアダムとエバが堕落したことで、全人類にはサタンの血統が受け継がれているとされます。この「原罪」を清算し、神側の「純潔な血統」へと転換するために不可欠とされるのが、教祖夫妻(真の父母様)を通じて受ける祝福結婚です。つまり信者にとって、この儀式を受けない限り真の救済も天国への道も開かれないという強い信仰上の前提が刷り込まれます。
かつては教祖である故・文鮮明氏が信者の顔写真を見ながら直感的に相手を決める「マッチング(約束)」が行われていました。国籍や言語、年齢が全く異なる男女が見知らぬまま引き合わされるケースが大半でした。文鮮明氏の死後および韓鶴子総裁の体制下では、父母によるマッチングや教団のマッチングサイトを用いた形式へと移行していますが、「教団の指示・承認に従って結婚する」という根本的な仕組みは維持されています。
参加に至る前段階として、信者には一定期間の修練会参加、断食、そして「聖酒式」(罪を清めるとされる特別な液体を飲む儀式)などの厳格な通過儀礼が義務付けられています。