冷たい弁当から激変!大阪の中学校給食「無償化と全員喫食」の真相

冷たい弁当から激変!大阪の中学校給食「無償化と全員喫食」の真相

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時計の針を十数年巻き戻すと、大阪の中学校昼食環境は全国的にも異様な水準にありました。文部科学省の統計でも大阪府中学校給食実施率は長らく全国最下位争いの常連であり、府内大半の公立中学校において昼食は「各家庭が持参する手作り弁当」が当たり前の光景でした。

転機が訪れたのは平成24年(2012年)9月、当時の大阪市政下で段階的にスタートした中学校給食事業です。翌平成25年(2013年)9月には市立中学校全128校での導入が完了したものの、ここで採用された手法こそが、後に激しい逆風を巻き起こす「デリバリー弁当方式」でした。敷地内に給食調理室を作る予算やスペースを確保できない短期間での全校配備を目指した結果、民間工場で一括調理された密閉型プラスチック弁当を毎朝配送する形態を選択せざるを得なかったのです。

当時、保護者や生徒の間で大阪市中学校給食まずい理由として噴出したのは、主に以下のような衛生管理上の制約と配送システムの弊害でした。

  • 食中毒防止のための「急速冷却」:夏場でも菌の繁殖を防ぐため、調理後に急激に冷やされたおかずは脂が白く固まり、素材本来の風味を大きく損ねていた。
  • 保温汁物の不在と硬いご飯:汁物が付かないドライな献立が多く、冷めたプラスチック容器のご飯はパサつき、冬場には喉を通りにくいという苦情が相次いだ。
  • 味覚のミスマッチと残食率の高止まり:生徒の味覚に配慮しきれなかった献立設計も相まって、配膳されても一口二口で残されるケースが多発し、残食率が3割から4割近くに達する学校も現れた。

当時メディアを賑わせた大阪中学校給食デリバリー弁当評判は芳しいものとは程遠く、ネット掲示板や保護者の口コミには「刑務所の食事のほうがましではないか」「子どもが一口も食べずに持ち帰ってきた」といった痛烈な書き込みが溢れかえりました。手軽さを期待して申し込んだ家庭からも失望の声が広がり、最終的には給食の利用希望者が激減するという行政的失態を招いたのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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